―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 原 著
飯沼 武 1)
松本 徹 2)
舘野 之男 2)
埼玉工業大学 1) 放射線医学総合研究所 2)
日本の乳癌検診の第1次スクリーニング検査に画像診断を導入すべきであるとの動きが盛んである。その理由は視・触診によるスクリーニング検査の精度に問題があるからである。画像診断の最有力候補は乳房撮影であるが、日本人にはX線被曝のリスクに対する懸念が大きい。本研究では、乳房撮影における乳腺吸収線量を二方向撮影で最大0.6cGy、平均0.2cGyとした場合、現在の日本人女性の乳癌罹患率から求めた利益(乳癌からの救命)と比較してリスク(余命の短縮)がどのようになるかを定量的に比較した。その結果、最大の場合でも30歳でリスクと利益はバランスし、それ以上の年齢では利益の方がずっと大きいことがわかった。結論として、乳房撮影の線量管理が精度よく行われ、0.6cGy以下に保たれれば乳房撮影によるリスクは40歳以上の女性では問題がないと言える。
Key words : breast cancer,Japanese women,mass screening mammography,radiation dose