1970年代後半に入ってから、乳腺疾患に対しても応用され始めたMRIはMRI用造影剤(Gd-DTPA)と高速撮像法を組み合わせたdynamic
MRIの実現により、病変の検出のみならず質的な診断能をも向上させた。最近の乳癌に対するMRIの診断成績をみると、sensitivityが100%との報告もあり、その完成度の高さを思わせる一方で、specificityに関しては37%ときわめて低いものから97%と高い報告もあり、成績に大きな幅がある。このようにspecificityに大きな違いが生じる原因としては、診断基準が定まっていないこと、sensitivityの向上に伴い乳癌とまぎらわしい良性腫瘤も多く検出されるようになったことなどが挙げられ、診断基準の早期確立が望まれる。現在、MRIは乳腺腫瘤における良・悪性判別のための補助検査として、あるいは乳癌症例に対する術前検査に主として活用されているが、癌治療の進歩に伴って流動していくものと考えられる。今後の課題としては、癌の早期発見と治療を達成するためにspecificityの改善が挙げられ、MRIでのみ検出可能な腫瘤に対して将来的にはMRガイド下生検の必要性が高まってくるものと思われる。
|