単独医が奈良県北部で22年間視・触診による乳癌検診を実施してきた。延べ受診者144.520人、発見乳癌177人、発見率0.12%、0.24%精検率、検診別発見機会別では初回検診乳癌103人、繰り返し検診乳癌74人であった。T1乳癌は103人、T1乳癌率58%と、病院外来乳癌に比し高率であった。特に繰り返し検診1.5年以内発見乳癌では、T1乳癌率は84.4%であった。
QOLの検討では、生存率は5生率は93.2%、10生率は88.5%と、同時期の病院外来例に比し良好であった(病院外来例:5年生存率は83.3%、10年生存率は71.7%)。手術術式では初期の1973〜1984年では定乳切の比率は54.1%と高いが、同時期の病院外来乳癌例に比し低値で、胸筋温存術式は45.9%と多かった。最近の10年間では胸筋温存術式は79.3%と増加し、乳房温存療法は16例、13.4%で、定乳切の比率20.7%と低値となり、術式面でもQOLの向上は認められた。
施設一次乳腺外来3年間では60人の乳がんを発見し、乳癌発見0.35%と地域乳癌検診に比し3倍高く、乳房温存療法例は40%と高値であった(p<0.001)。
T1乳癌発見には、発見率は低くなっても繰り返し検診を1.5年以内に継続して受診することがQOL面で良好な結果を得ることができるので、医療、行政からは一般女性に乳癌検診受診と繰り返し1.5年以内検診の必要性と効果について情報を提供すべきであると思われる。
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