―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 原 著
小池 綏男
宮原 早苗
寺井 直樹
長野県がん検診センター・検診部
乳癌集検で要精検とされて最近9年8ヵ月に長野県がん検診センターの乳腺外来を訪れた1.431名の中から発見した乳癌64例を集検受診前の自覚症状の有無に分けて臨床病理学的に比較検討し、以下の結果を得た。
1)
集検受診前に自覚症状がなかった345例から発見された乳癌は28例(8.1%)で、自覚症状がなかった1.067例中の36例(3.4%)に比して有意に多かった。発見乳癌64例中では自覚症状があった症例は43.8%を占め、腫瘤触知が最も多かった。
2)
乳癌の腫瘤の大きさ、病期、額面肉眼所見、リンパ節転移、手術後の転帰からみると、自覚症状があった群にはなかった群より進行した症例がやや多い傾向が見られた。
3)
乳癌集検の現場においては、自覚症状のある人は集検ではなく医療施設を直接受診するように指導するべきである。
Key words : 乳癌、集団検診、自覚症状