愛媛県南部において市立宇和島病院外科の行っている乳癌検診の現況と問題点につき報告する。当院は愛媛県南部にあって以前より隣接した1町を対象に小規模な乳癌出張検診を行っていたが、老健法施行にともない平成元年から宇和島市も対象とし、平成4年からはがん予防協会が施行していた周辺町村の出張検診に全面的に協力することで検診地域の拡大をはかり、さらに平成5年からは宇和島市の乳癌検診日数を増やしてもらうことで受診者数の増加をはかってきた。その結果、過去5年間の当科の出張検診受診者数の推移をみると、平成2年には1,037人であったものが平成4年には3,555人、平成6年は3,772人と着実に増加しつつある。発見癌患者数は過去5年間で合計17人、発見率は0.1〜0.2%であった。しかし各市町村の内訳をみると、新規に検診事業に参入した町と検診日数を増加した市では、受診率が向上して乳癌発見数も多くなっているのに対し、以前より検診を行っていた町村では20%前後の高い受診率を示していたにもかかわらず、徐々に受診率が低下しつつある。この受診率低下の原因としては40〜50歳代の新規受診者数の減少が考えられ、また30歳代および70歳以上の受診者数が少ないことも明らかとなった。宣伝活動とともに若年者と老年者が受診しやすい環境作りを考える必要がある。
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