乳癌診断において細胞診は主として(腫瘤)触知病変における穿刺吸引細胞診(FNAC)や異常乳頭分泌に対する乳頭分泌細胞診、そして乳頭びらんに対する擦過細胞診などで利用されている。教室の症例では触知乳癌は約95%を占めているが、視触診、画像診断、FNACを併用することにより大部分は診断を確定することができる。この中でもFNACはsensitivity
97.6%、positive predictive value(PPV)98.2%と診断能が高く、最も重要な診断法である。乳頭分泌細胞診は特に異常乳頭分泌を伴う非触知乳癌の診断に関わっているが、その診断能は低く、教室では乳管腺葉区域切除(DLS)を行い診断を確定している。しかしながら異常乳頭分泌のある症例のうち悪性であるものはわずかであるため、乳頭分泌細胞診、乳管造影などで総合的にDLSの適用を決めている。同じ細胞診でもFNACの乳頭分泌細胞診ではその診断能に大きな違いがあり、主治医および細胞診断医は連絡を密にして、乳癌診療におけるそれぞれの細胞診の位置づけをお互いに確信しておくことが重要である。
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