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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――シンポジウム

乳癌検診における細胞診(4)

乳癌検診における乳頭分泌細胞診の有用性

藤井 雅彦 1)

松永 忠東 2)

中村 祐子 2)

石井 保吉 3)

杏林大学保健学部病理学教室 1)
東京都がん検診センター乳腺科 2)
東京顕微鏡院細胞病理診断科 3)


1985年から1995年までの11年間に東京都がん検診センターにおいて施行された乳頭分泌細胞診の成績をまとめ、以下の結果を得た。

1)

細胞診の成績は、乳癌80例では陽性38例(47.4%)、疑陽性9例(11.3%)、陰性33例(41.3%)、また乳腺良性疾患167例では陽性5例(3.0%)、疑陽性5例(3.0%)、陰性157例(94.0%)で、誤陰性例が多く認められた。

2)

11年間に89例の非触知乳癌が発見されているが、このうち35例に乳頭分泌を伴い、細胞診では25例(71.5%)が陽性であった。なお、25例中15例ではマンモグラフィや超音波検査で異常所見がみられなかった。

3)

乳頭分泌細胞診で陽性となった非触知乳癌25例は病理形態学的に乳管内進展型の癌が大部分を占め、脂肪織浸潤は3例に認められたのみで、リンパ節移転は1例もみられなかった。すなわち比較的早期の癌がほとんどであった。

4)

細胞診の誤判定は採取細胞量が少ないために起こることが多かったので、十分な細胞成分が得られるような努力が必要であることが示唆された。また、細胞判定には個々の細胞異型のみならず、細胞の散在性、重積性などの観察が特に重要であると思われた。



Key words : 乳癌検診、乳頭分泌細胞診、非触知乳癌、精度

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