――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――シンポジウム
乳癌検診における細胞診(5)
乳頭異常分泌を呈する無腫瘤性乳癌における各種細胞診診断
岡崎 稔 1)
岡崎 亮 1)
渡部 芳樹 1)
湯山 友一 1)
平田 公一 1)
成松 英明 2)
山田 毅 3)
岡崎 裕 3)
鍋田 光一 4)
有末 太郎 5)
札幌医科大学第1外科 1) 同臨床病理部 2) 新札幌乳腺クリニック 3) 足立外科クリニック 4) 北海道がん協会 5)
乳頭異常分泌(ND)を主徴とする無腫瘤性乳癌に対する細胞診手法とその診断能を検討した。対象は1980年1月から1995年12月までの教室で扱ったNDを呈した無腫瘤性乳癌61例である。 分泌物細胞診(S法)、乳管洗浄細胞診(W法)の正診(ClassVb以上)率、確診(Class・)率はS法:11.5%、8.2%、W法:32.8%、16.4%であり、この2法によるClassa以上の異型細胞検出率も54.1%と高率ではなかった。乳管内視鏡の開発、導入(1989年8月)以後はそれ以前に比しS法やW法の診断率が低下したが、乳管内視鏡下に考案、施行されたキュレット細胞診(C法)の正診率45.5%(10/22)、確診率36.4%(8/22)であり、末梢乳管に位置する微小乳癌を検出し得たことが注目される。画像診断法の発展とともに微小な乳癌の検出数が増加し、新しい細胞採取法であるC法の診断的意義が大きい。画像診断と細胞診の発展がNDを示す無腫瘤性乳癌の早期検出・診断に不可欠である。
Key words : 乳頭異常分泌、無腫瘤性乳癌、細胞診、乳管内視鏡