近年、高齢女性の肥満化傾向が指摘され、そのため高齢者乳癌が増加しているといわれている。当施設での検診受診者に対して、マンツーマン方式の乳房自己検診(以下、BSE)指導を行う中で、肥満気味で乳房の大きい人はBSEに消極的である印象を受けてきた。そこで今後のBSE指導の課題とするため、肥満および乳房カップサイズとBSEとの関連について、精密検診受診者中、資料の得られた1,013名について調査した。その結果、50歳代以上の肥満者の割合が多く、肥満者にはカップサイズの大きな人が多いことがわかった。BSE実施状況は、実施率が非肥満群72.9%に比して肥満群65.8%と低率で、中でも肥満群Dカップは57.7%と最も低率であった。BSE実施による3cm以下の「しこり」自覚率についても、非肥満群84.2%に比して肥満群42.9%とかなり低率であったが、カップサイズ別にみるとサイズの大きな人でも、小さな「しこり」を自覚できていた。
以上のことより、高齢肥満者でカップサイズの大きな人には、BSE指導が特に重要と考える。たとえば肥満気味で乳房が大きくとも、意識の持ち方と正しいBSE実施により「しこり」の発見は可能であると考えられ、今後の指導に生かして行きたい。
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