視触診法のみの乳癌検診では検診効果が低いことが指摘されているが、当院では1986年より受診者全例に視触診とともにセクター方式超音波検査(以下、US)を併用する乳癌検診を行っており、総受診者50,378名のうちから61例、0.121%の乳癌を検出した。このうち、検診医も精検担当医もともに腫瘤・抵抗を触知しない非触知T0乳癌症例は16例を数え、そのうちの3例は乳頭異常分泌により検出され、他の13例はUSのみで検出された直径10mm以下の微小腫瘤径乳癌であった。そのうちの非浸潤癌Tis症例は3例、18.7%のみで他の13例、81.3%はすべて浸潤癌症例であり、USを併用する乳癌検診では乳房撮影(以下、MG)を併用する乳癌検診と比較して、悪性度の高い乳癌をより多く検出していることが示唆された。
USのみで検出された13例のT0症例は61例の検診発見乳癌のうちの21.3%に相当し、視触診法のみの検診では見落とされることとなるが、同様にMGのみの検診でもこの13例のT0症例のうち4例、30.8%がMGで「所見なし」であったので見落とされることとなる。全例がn0であったものの、そのうちの3例、23.1%がリンパ管侵襲陽性(1y1〜1y2)であり、4例、30.8%が脂肪織浸潤陽性であったことから、触知し得ない微小腫瘤径乳癌であっても看過できないことが判明した。また、USのみで発見された13例のT0症例のうち11例、84.6%が毎年繰り返し再診例であり、平均3.5回で直径10mm以下の微小腫瘤径径乳癌がUS上の低エコー像のみで検出されていた。有意に有効な生存率を示す乳癌検診を行うためには、受診者全例にUSを併用する乳癌検診を毎年繰り返して行うことの重要性が示唆された。
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