マンモグララフィと視触診を併用する新しい乳癌検診の導入が期待されている。本研究では導入前の事前評価の1つとして、マンモ併用検診を実施した場合と検診を実施しなかった場合と比較して、乳癌死亡率がどのくらい減少するかを理論的に予測する。方法は筆者らが用いている癌検診の数学モデルによって検診受診群の乳癌死亡率(A)を求め、同じ集団に検診が実施されなかったときの乳癌死亡率(B)を算出する。これから相対リスク(RR)をA/Bにより、寄与リスク(RD)をB-Aによって計算した。比較した検診は視触診(1年間隔)、マンモ併用(1年間隔)とマンモ併用(2年間隔)の3種の検診である。結果として求められたRRは視触診が0.85、マンモ(1年)が0.60、マンモ(2年)が0.69であった。RDは乳癌罹患率100/10万人年の10万人の集団の場合、各々、3.0人、8.1人、6.2人/10万人年であった。また、RRはこの集団に対してはその95%信頼区間の上限値が1.0以上で、統計的に有意な減少とはならなかった。結論としてマンモ併用検診の有効性の大きいことが示唆されるが、統計的な有意差を出すためにはより大きな集団の検診が必要である。
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