視触診に引き続き、医師がreal-time方式の超音波検査でWhole breast scanning(以下、WBSと略)を行う乳癌検診の成績を年齢別に比較検討し、30〜40歳代の若年女性における同検診の有用性について述べる。対象は高松市住民を対象とした施設での集団検診で、上記2施設を受診した29,072名である。受診者の年齢構成は30歳代6,872名、40歳代9,789名、50歳代6,732名、60歳以上5,679名であり、30〜40歳代が57%を占めていた。発見乳癌は75例で発見率は全体で0.26%であった。年齢別の発見率は30歳代0.19%、40歳代0.23%、50歳代0.22%、60歳代以上0.42%であった。発見乳癌の内訳は非触知乳癌28例、径2cm以下30例、径2cm以上17例であり、WBSによる非触知乳癌の検出が高い発見率につながった。30〜40歳代では、発見された非触知乳癌は11例で、そのうち5例はMMGで病変部が描出され、6例はMMGで異常を認めなかった。MMGで描出された5例の組織型は予後の良好なlow
risk乳癌であった。一方、MMGで描出されなかった6例は予後不良なhigh risk乳癌が多かった。現時点では、われわれの検診の成績は長期予後が判明していないことから、その有用性を直接証明することはできない。しかしWBS検診はMMG検診と比較して予後不良な組織型の乳癌をより早期に発見できることから、乳癌死亡を減少させる有効な検診方法である可能性が高いと考えている。特に欧米女性に比して小さく固いdenceなbreastを持つ若年日本女性においては、Whole
breast scanningの有用性がさらに強調されると考えている。また超音波検査装置は広く普及しており、新たに画像装置を用いた検診を始める際にもコストを低く押さえることができる。またランニングコストもMMGに比してはるかに低いことから、現状のわが国の財政状況を考えるに、MMG検診よりも実現可能な検診方法であると考える。WBSをMMGと同列なmodalityとして考えるのではなく、WBSは触診の延長として考えるべきである。WBS検診はいますぐにでも導入可能な方法である。
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