視触診検診の効果をみるために、1982年から1998年に手術を行った原発性乳癌1,275例について、乳癌検診歴、病期分類、予後について調査を行った。過去に検診歴のなかったもの796例(62.4%)、検診歴のあったもの479例(37.6%)であった。早期乳癌の割合は、前者が342例(43.0%)、後者が281例(58.7%)で有意差がみられた(p<0.001)。次に検診歴を有する479例を検診発見癌183例、過去に検診暦1〜2回で自己発見のもの185例、3回以上のもの111例の3群に分け早期率をみると、それぞれ56.8%、57.3%、64.0%であり差異がみられなかった。検診歴の内容により進行度に差がみられなかったので、検診歴のある症例とない症例の2群に分け、累積生存率をみた。5年では、検診歴のあるもの96.3%、ないもの85.4%であり、10年ではそれぞれ90.1%、77.0%であり、5年・10年ともに有意差がみられた(p<0.001)。
以上により、啓蒙活動を併用した視触診による集団検診を長年続けることにより、検診で早期乳癌を発見する効果だけでなく、検診歴をもつものからの自己発見による早期発見が可能となり、地域における乳癌死亡の減少に役立つものと思われた。
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