乳癌検診における超音波検査の有用性について検討した。住友生命総合健診システムで、乳癌検診に超音波検査を導入した平成10年5月から平成11年4月までの1年間(導入後)とそれ以前の平成9年5月から平成10年4月までの1年間(導入前)の検診実験を比較検討した。
導入前の乳癌検診受診者は5,913名、導入後は視触診のみ2,942名、超音波と視触診併用2,413名の合計5,355名であった。各群間の背景因子に差異はなかった。有所見率は導入前30%に対し、超音波併用群では57%と有意に上昇した。その内訳は乳腺症が20%から30%に腫瘤、硬結が6.2%から13.3%に、嚢胞が0.5%から28%にそれぞれ上昇した。また検診後の紹介率も4.2%から11.3%に上昇した。精密検査の結果、導入後は導入前に比べて嚢胞が4.3%から15.8%に、良性腫瘤が17.3%から20.5%に、そして乳癌が5名から10名に上昇した。さらに発見乳癌の長径をみると、導入前は5例中3例が2.1cm以上であったのに対し、導入後は10例中7例が2cm以下で、しかもその内4例は導入前には認められなかった1cm以下の乳癌であった。
以上より乳癌検診に超音波検査を併用することにより、より多くの、そしてより小さな乳癌が発見され、乳癌検診において超音波検査は有用であると考えられた。
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