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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――シンポジウム

婦人ライフステージと乳癌(3)

妊婦に合併した乳癌の取扱い

谷口 一郎 1)

岩里桂太郎 1)

寺脇 信二 1)

中村  聡 1)

白坂 千秋 2)

上尾 裕昭 2)

大分県立病院産婦人科1)
同外科2)


 1978年1月より1999年12月までに当科で分娩した総産婦数は13,792例である。この間に当院で治療された妊婦に合併した癌の症例は123例で、子宮頚癌92例(4)、乳癌22例(6)、卵巣癌3例(0)、胃癌3例(3)その他の癌3例(2)であった。( )は死亡例である。乳癌症例は子宮頚癌についで多く22例(妊娠期6例、授乳期16例)であり、その期別はTis1例、期14例、期3例、期4例であった。乳癌22例中癌死例は6例(期2例、期2例、期2例)で、27.3%を占め、子宮頚癌の癌死亡率4.3%に比較して高率であった。当院外科の乳癌患者は年間120例前後で、上記期間の乳癌症例総数は1,871例であり、妊娠期乳癌はその1.18%を占めた。
 1993年、24歳初産で乳癌合併の妊婦に妊娠30週1日にて帝王切開術を施行(1,618g女児)、脳性麻痺と診断された症例を経験した。文献的には妊娠の中絶は乳癌の予後の改善に寄与しないと報告されており、したがって妊娠期乳癌の第1選択は乳癌手術と考えられる。妊娠初期、中期に乳癌手術を施行し、満期産にて母子ともに良好な成績をあげた報告もある。われわれ産科医としえは、可能ならば分娩は児の未熟性によるトラブルのない妊娠34週以降まで待機したい。当院の妊娠期乳癌は1990年代に入って増加している。本邦では乳癌が増加しており、それに伴って今後増加するであろう妊娠期乳癌に産科医は積極的に関心を持つべきである。


Key words : 乳癌、妊婦、脳性麻痺、脳室周囲白質軟化性、未熟児

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