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―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 原  著

横浜市における乳癌個別検診の実態調査と評価

木下 智樹 1)

母里 啓子 1)

小田切邦雄 2)

神田 具子 3)

桜井 正成 3)

高岡 幹夫 3)

豊澤 隆弘 3)

鳥羽 和憲 3)

柳川荘一郎 4)

横浜市旭保健所 1)
神奈川県立がんセンター放射線科2)
横浜市衛生局 3)
横浜市乳がん検診管理委員会 4)


 癌検診に関する国庫補助金が一般財源化され、自治体主導の乳癌検診は昨今のマンモグラフィ(MMG)導入の問題とリンクし、大きな転機に差し掛かっている。今後の施策の方向性を考える上での基礎となる資料を得る目的で、1997年度の横浜市の乳癌検診の有効性を検証した。
[対象]

  一次検診で要精検とされた1,380名。検診で発見された癌症例70名のうち、カルテをレビューできた67名については、同時期に治療を受けた症例から年齢をマッチさせた134名を対照群とし、症例対照研究を行った。
[結果]
婦人科(G)は68施設/666名で要精検率3.7%、内科系(M)は28施設/69名で3.1%、外科(S)は65施設/645名で7.0%。このうち精検時に何らかの臨床診断がついた有所見率はそれぞれ59.6%、84.1%、81.4%。精検を他施設へ依頼したのはG:76.5%、M:82.6%、S:18.5%。実際に精検を手掛けたのはG:16施設/229名、M:4施設/32名、S:80施設/1,115名、結果のみで詳細不明4名。精検時の診断方法では超音波(US)のみがG:75%、M:100%に対し、S:17%。一方、SではMMG/USの組み合わせ以上のものが60%であった。精検時診断癌の79名中9名が最終的に良性だった。症例対照研究では検診群(S群)は有症状者が85%を超え、対照群(C群)との差がなく、腫瘍径・病期T以下の割合・nの結果とも有意差は見られなかった。
[まとめ]
現行の視触診のみの検診は本来の姿からは遠く、早期癌の発見に寄与していない。乳癌検診学会等のガイドラインにそったMMG検診の導入と精度管理の確立が早急に望まれる。


Key words : 乳癌、癌検診、衛生行政

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