わが国においてマンモグラフィ併用検診が2年間隔で全国的に実施された場合、どの位の乳癌死亡減少がおこり得るかを定量的に予測した。対象は日本人女性50〜89歳とし、これらの女性が2年間隔で定期的にマンモ検診を受診するものと仮定した。方法は決定論的な癌検診数学モデルを利用した。モデルに代入する数値はがん研究助成金大内班で集めた数値を使った。結果はこの年齢の女性100%が受診した場合,相対リスクは0.60から0.69となり、かなり大きな死亡減少効果が期待できそうであるが、もし、受診率が低く,10%受診では0.97となり、また、わが国の目標である受診率30%でも0.88から0.90であり、効果が認められないことが分った。今後はマンモグラフィ検診の精度管理をきちんと実施し,精度の高い検診を行わなければならないことは前提条件であるが、いくら高精度の検診をやっても肝心の受診率を高めなければ相対リスクで示される実際の日本女性全体に対する乳癌死亡減少にはつながらないことは明らかである。これからの乳癌検診対策の重要な柱の1つは受診率向上であり、その目標はスエーデンと同じ80%以上とすべきである。
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