昭和55年度から平成11年度までの20年間にわたる横浜市乳癌検診結果を集計し,視・触診法による乳癌検診の有効性と,これからの乳癌検診の方向性について検討した。検診の対象は横浜市在住の30歳以上の女性で,20年間における乳癌検診受診者総数は620,429人であった。そのうち要精検率は7.1%であり,乳癌発見率は0.11%であった。発見乳癌患者のうち早期乳癌は49.8%で,乳癌検診の目標とされる50%をほぼ満足する値であった。その一方で,近年は初診者での乳癌発見率が上昇しているにもかかわらず,初診時の早期乳癌症例は減少傾向にあった。本来の乳癌検診の目的を早期乳癌発見による乳癌死亡率の減少と考えるならば,現行の視・触診のみによる検診では不十分であることが再認識された。今回われわれは,視・触診による乳癌検診について再検討するとともに,マンモグラフィ併用モデル検診の結果を加味しながら,横浜市乳癌検診にマンモグラフィが導入されるに至った経緯について考察する。
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