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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――シンポジウム

検診における視・触診の意義(1)

山形県がん登録を利用した視触診による乳がん検診の評価(抄録)

柴田亜希子 1)

高橋 達也 1)

深尾  彰 1)

松田  徹 2)

佐藤 幸雄 2)

大内 憲明 3)

山形大学医学部公衆衛生学 1)
山形県成人病センター 2)
東北大学大学院医学系研究科腫瘍外科 3)


[目的]視触診による乳がん検診の効果を再評価するために,検診発見症例の予後について検討した。[方法]1989-1998年に山形県がん登録に登録された女性乳がん患者は2,746名であった。この集団をがんの発見契機に従って検診発見群と外来発見群の2群に分けて,生存曲線の比較と,Cox比例ハザードモデルを用いた多変量解析を行った。
[結果]1998年末までの観察期間(最長9.8年)において,外来発見群と比較して,検診発見群の生存率が統計学的に有意に高かった(p<0.001)。年齢で層化した場合,49歳以下の群では2群の生存率の差は小さかった。年齢,臨床病期,居住地域,発見暦年を調整した検診発見群の外来発見群に対するハザード比は,0.32(95%信頼区間0.17-0.63)であった。[考察]富永班の多施設研究では,視触診により発見された症例と外来発見症例との間で10年生存率に有意差を示さないとしていたが,山形県に限定した本研究では有意な差を認めた。このことから,視触診による検診は客観的評価が難しいため,精度管理の面での地域差がある可能性が示唆された。


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