妊婦関連乳癌の早期発見を目的とした産婦人科医自身による,連携診療としての妊婦乳房スクリーニングのあり方について検討した。「乳房チェック」外来受診者161名を対象に,妊婦12〜16週時に視・触診法(座位と仰臥位)と乳房超音波検査の両法を全例に行った。硬結および腫瘤や超音波検査で嚢胞,充実性腫瘤あるいは乳腺構造に乱れや乳管拡張を認める例に二次検査を施行した。二次検査は視・触診法とともに超音波・マンモグラフィ検査,乳腺穿刺細胞診あるいは乳腺穿刺針生検を行った。スクリーニングの視・触診法で43例,超音波検査のみで12例,計55例に異常が発見され,精密検査の結果,線維腺腫14.5%,嚢胞9.1%,葉状腫瘍1.8%が診断された。今回,検討した群からは乳癌を含めた悪性腫瘍は発見されなかった。以上の成績から,視・触診法だけで乳房スクリーニングをすると,妊娠による乳房変化のために腫瘤性病変を見落とすことが多くなると思われるので,超音波検査法を併用した方がより好ましいと思われた。精密検査群には妊娠性変化による所見が多かったので,より妊娠早期にスクリーニングすべきであると思われた。
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