当科では,最新の技術を駆使した精緻かつ低侵襲な術前診断から適切な縮小手術に到る診療システムの構築を目指している。そこで今回,微細石灰化像のみを呈する初治療の非触知乳癌46病変を対象とし,当科の診療システムを検証した。その結果,超音波で異常所見(充実性低エコー像)を認めたものが80%と大半を占め,超音波ガイド下穿刺吸引細胞診で確定した症例が54%であったことから,微細石灰化像のみを呈する非触知乳癌の診療においても高分解能装置を用いた超音波検査の有効性が確認された。また低侵襲の画像ガイド下のインターベンション(細胞診,マンモトーム)により91%が確定診断されたことから,侵襲の大きな切開生検などの組織診は最終手段に位置づけるべきと考えられた。さらに超音波による微細石灰化の認識の可否において,マンモグラフィ所見での石灰化の淡さや拡がりおよび癌の浸潤の有無が決定的な因子ではないと判断された。微細石灰化のみを呈する非触知乳癌は超音波で確認できたとしても,同計測上1cm以下の微少なものが多く,その診断は容易とはいい難い。しかし縮小手術のもたらすQOL向上や良好な予後から,同乳癌を診断する意義は大変大きい。今後,高精度のマンモグラフィ検診により非触知の微細石灰化を呈する数多くの症例の発見が予測される。精緻かつ低侵襲の画像診断・インターベンションを実践できうる診療システムの構築が求められている。
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