過去20 年間に長野県がん検診センターの乳腺外来を訪れた受診者から発見された乳癌症例を前期と後期に分けて臨床病理学的に比較検討し、以下の結論を得た。
1)総受診者からの乳癌発見率は、前期は7.5 %(6,410 例中479 例)であり、後期は5.7 %(7,552 例中428 例)であって、有意差を認めなかった。
2)発見乳癌の腫瘤の大きさをみると、後期は前期より5.1cm以上の症例が減って2.1cm〜5.0cmの症例が増えたが、2.0cm以下や触知不能例は変わらなかった。
3)発見乳癌の病期をみると、後期は前期より病期 と病期 が減って病期 が増えた。
4)組織学的分類からみると、後期は前期より非浸潤癌の比率が増加した。
5)リンパ節の転移の有無は、前・後期の間に有意差がみられなかったが、転移(+)群の中では後期は前期よりn3以上が減って、n2が増えた。
以上、後期に発見された乳癌は前期と比べて多少早い時期のものが多い傾向を示したが、著しい差ではなかった。乳癌に対する正しい知識の普及が必要であることが示唆された。
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