―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――原著

マンモグラフィ併用乳癌検診に対する受診行動意図の世代間比較

――防護動機理論に基づく認知的傾向の検討――

大森 直樹

大阪医科大学附属病院放射線科


 乳癌検診の受診者数を増加させるためには、効果的な受診行動の勧告が必要である。効果的な勧告を実践するためには、勧告の受け手が示す認知反応の一般的傾向を実証的に検討する必要がある。
 本研究では、マンモグラフィ併用乳癌検診への受診行動の勧告を、説得的コミュニケーションの一類型である脅威アピールとして捉えた。脅威アピールと受診行動意図との関係を説明するため、防護動機理論の認知的媒介モデルを導入した。防護動機理論の認知要因と受診行動意図を質問紙法で測定し、世代(30 歳未満群,30〜49 歳群,50 歳以上群)別に多変量解析をおこなった。分析の結果に基づき、各世代の認知的傾向を社会心理学的視点で検討した。
 検討の結果、以下の知見を得た。1)30 歳未満群は、乳癌の罹患に対する自我関与を低く評価する傾向がある。2)30〜49 歳群は、脅威の深刻さが受診行動意図を抑制する傾向がある。3)50 歳以上群は、防護動機が合理的な判断を経由して受診行動を動機付ける傾向がある。


Key words : マンモグラフィ、乳癌検診、受診行動意図、脅威アピール、防護動機理論




第14巻第1号の目次へ

学会誌バックナンバーへ