―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――症例報告
妊婦・褥婦の乳がん検診における血清乳癌腫瘍マーカーの位置づけ
――乳癌治療後妊娠例での検討――
森 久仁子1)
土橋 一慶2,3)
植木 實1)
冲永 功太3)
大阪医科大学附属病院産婦人科1) 千川産婦人科医院2) 帝京大学医学部附属病院外科3)
妊婦・褥婦に乳癌が合併した妊娠関連乳癌は、臨床期別分類にしたがった進行度と同様の予後であると考えられている。しかし、妊婦・褥婦に対する系統的乳がん検診法が確立されていない現状では、進行乳癌の状態で発見されることが多い。現在まで妊娠初期の視・触診法に超音波検査を併用する検診法が報告されているが、妊娠性変化による偽陽性が多いとされている。今回、乳癌治療後の経過観察中に妊娠した症例で、妊娠・産褥期を通じて継時的に腫瘍マーカーを測定し得た症例を経験したので、腫瘍マーカーを妊婦・褥婦の乳がん検診に併用する際の留意点について考察した。検討した血清腫瘍マーカーはCA15―3とNCC―ST―439 である。CA15―3は妊娠中期〜後期に上昇を認め、NCC―ST―439 は妊娠初期に一過性に上昇を認めたが、いずれも産褥4ヶ月で非妊娠時の値に回復した。 以上の症例から、生理的な妊娠性変化により腫瘍マーカーが変動するので、妊娠時に乳癌腫瘍マーカーを追加検査するときには妊娠時期を考慮して判定しなければならないと思われた。
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