日本女性の乳癌死を減少させるために,症例対照研究によるリスク因子解析により検診推奨者を選定した。当院で手術を施行した原発乳癌2,103例を症例とし,当院受診者で受診時乳腺疾患のない3,131例を対照とした。
解析結果より,次のとおり検診推奨者を選定した。(1)35歳以下のhigh risk group:1.初潮が11歳以下と早い者,2.良性乳腺疾患の既往がある者,3.癌の既往がある者,(2)閉経前:1.初潮が早い者,特に11歳以下の者,2.肥満度(BMI)が18.5未満と痩せの者,3.既婚者で未産の者,4.出産しても授乳をしていない者,5.独身者,6.第1度近親者あるいは第2度近親者に乳癌の家族歴のある者,(3)閉経後:1.肥満度(BMI)が18.5未満と痩せの者および25.0以上の肥満の者,2.体重が58kg 以上の者,3.既婚者で未産の者,4.出産しても授乳をしていない者,5.独身者
検診は癌の発生の予防ではなく,早期発見により癌による死亡を減少させるためのものである。厚生労働省は「健康日本21」において,2010年の受診率目標を1997年の50%増の約39%を掲げている。しかし目標が達成されたとしても対象者の半分以上が依然として検診を受けていない状況になっている。
以上を踏まえ,われわれは症例対照研究によりリスク要因を特定し,効率のよい検診を進めるため検診推奨者を選定した。
|