BI-RADS はマンモグラム読影用語とその解釈,その結果報告の標準化とデータ集積と解析により検診精度の向上を目的としている。米国で生まれたオリジナルBI-RADS はcategory0〜6の7段階評価で,各々のcategory に対応してその後の対処・処置が明確化している。つまり,category1,2は異常なし,良性病変の判定で,category3はほぼ良性病変と思われるが悪性病変を完全に否定できないので6ヶ月後の画像による経過観察が推奨され,category4,5はほぼ悪性または悪性病変が疑われるので針生検などの組織診断が必要とされている。一方,日本版BI―RADS はカテゴリー分類に対応する対処・処置の記載が不十分であり,カテゴリー3を「要精査」と考える点で根本的にオリジナルBI-RADS と異なる。さらに日本版BI-RADS とオリジナルBI-RADS の決定的に異なる点は日本版BI-RADS にはカテゴリー0がないことである。カテゴリー0は,検診マンモグラムのみでは判定できないので,拡大スポット撮影やエコーなどの検査を追加する必要があり,最終カテゴリーは追加した画像結果を基に判定される。日本ではこのカテゴリー0が設定されていないため,カテゴリー3にオリジナルBI-RADS カテゴリー0に相当する病変が含まれることになり,日本版BI―RADS のカテゴリー3には,ほぼ良性と思われる病変からカテゴリー4に近い,いわゆる精査を要する病変までが混在する結果となり,検診機関や精査機関に混乱を招いている。さらにカテゴリー0がない結果,読影精度の管理と読影能力の指標となる“recall rate : RR”と“positive predictive value : PPV”などの算出に多大なる影響を及ぼす。日本のマンモグラフィ検診もスタートしたばかりなので,国際的な討論の場に立てる正確なデータを示せるように,オリジナルBI-RADS に基づいたカテゴリー分類に改変されることが望ましいと思われる。
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