ホルモン補充療法(以下,HRT)は乳癌の危険因子とされており,HRT 中患者の検診率は増加傾向にあるが,HRT 中の乳癌検診方法は確立されていない。このためHRT 中の乳腺変化を検討し,HRT 中の至適検診方法を考察した。当科で乳癌検診を施行した6ヶ月以上HRT を施行中の患者46例(以下,HRT 群:年齢54.0±1.27歳)を対象とし,65歳以下のHRT 歴のない閉経後患者120例(以下,非HRT 群:年齢53.7±6.72歳)をコントロールとした。HRT はエストリオール単独投与5例,エストラジオール単独投与16例(以下,E2群),エストラジオールおよびプロゲスチン併用投与25例(以下,EP 群)で,全例マンモグラフィ(以下,MMG)二方向撮影と超音波検査(以下,US)を施行した。HRT 群においてMMG で不均一から高濃度乳腺の頻度は85%と非HRT 群70%と比較し有意に高く(p=0.004),US での嚢胞性腫瘤の出現頻度は,非HRT 群と比較しそれぞれ26%,13%とHRT 群で有意に高かった(p=0.03)。またMMG で不均一から高濃度乳腺の頻度はE2群69%,EP 群96%とEP 群が有意に高かった(p=0.05)。以上より画像で描出されうる乳腺変化は存在し,プロゲスチン併用投与で乳腺変化がより顕著になると考えられた。乳腺の変化を早期に察知するためには,MMG だけではなくUS の併用が必要であり,通常検診よりも短期間での検診を施行する必要があると思われた。
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